2004年06月09日

プレミアテレビ:「マット・ヘルム」 Matt Helm 

 
「Matt Helm」はパイロット版TVムービー Matt Helm をTVシリーズ化し、1975年にABCで放映された60分アクションドラマであるが、スパイではなく探偵ものである。マット・ヘルムと云えばディーン・マーチンが主演した『サイレンサー沈黙部隊』に始まるシリーズが有名であるが、ドナルド・ハミルトンの原作はもっとハードボイルドな世界である。原作ではスパイのままだが、この番組はスパイ稼業から引退したマット・ヘルム(トニー・フランシオサ)が、ロサンジェルスで私立探偵を始めるオリジナル設定になっている。外国製のスポーツカーを飛ばし、気ままな独身生活をおくっているマットに留守電サービスのエセル(ジェフ・ドネル)から連絡が入る。美人弁護士のクレイア・クロンスキー(ロレイン・ステファンズ)のご指名である。マットは彼女が持ち込んでくるハイレベル(危険性と重要性)な事件を専門に引き受ける。問題が起きた時は(いつも起きる)ハンラハン巡査部長(ジーン・エバンス)の助けをかりる。トニー・フランシオサは原作を読まず、映画を見ないで撮影に入った。脚本からキャラを作りあげていく俳優は概ねそうらしい、小説とも映画とも違う設定なので特に問題はなかった。ディーンもトニーもラテン系であるが、「プローブ捜査指令」「ネーム・オブ・ザ・ゲーム」と冷静で行動的なキャラはトニーの方が似合っていた。しかし、脚本や演出にこれまでの探偵ドラマ以上の面白さがなかったマット・ヘルムの新冒険は視聴者の支持を受けることはできず13話で終了した。英国情報部を辞めて探偵になったジェームズ・ボンドの映画を観客は支持するであろうか?
CAST:
マット・ヘルム(トニー・フランシオサ)
クレイア・クロンスキー(ロレイン・ステファンズ)
留守電サービスのエセル(ジェフ・ドネル)
ハンラハン巡査部長(ジーン・エバンス)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック