2005年08月17日

番組ガイド:「ザ・バロン」「バロン登場」

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「ギデオン警部 非情の街」の原作者J・J・マリックは、本名をジョン・クリーシーといい、他にも多くのペンネームを持つ作家である。1937年にロンドンのハラップ社が賞金1500ポンドの懸賞付きで小説を公募した。テーマは"義賊を主人公にした冒険小説"であること。ここでいう義賊とは一流のクリケットプレーヤーでありながら宝石専門の泥棒であるラッフルズやロジャー・ムーアでおなじみの「セイント」を指す。アンソニー・モートン名義で応募し見事当選したのが Meet the Baron という作品である。"ザ・バロン(男爵)"と異名をとる宝石泥棒ジョン・マナリングが美人と結婚をきっかけに足を洗い、ロンドン警視庁に陰ながら協力する物語である。Meet the Baron はミステリ雑誌[新青年]の1937年特別増刊号に[暗闇男爵]として本邦初紹介された。[ザ・バロン(男爵)]は48作まで発表されているが、戦前の紹介のみでは視聴者が知るよしもなく、この主人公もまた日本での知名度は低いといえる。[ミステリマガジン]の1980年5月号に[暗やみ男爵]として再度紹介された。

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この小説をベースに折からスパイブームに乗って作られたのが The Baron であり主人公の設定も変更されている。ナチが盗んだ名画・宝石類の回収に協力したアメリカ人の美術骨董商兼実業家ジョン・マネリング(通称バロン)が、宝石・美術品に絡んだ事件を解決し、イギリス情報部から与えられた外交官免除特権を駆使して国際スパイ団やテロリストと対決する。バロンも独身でイギリス情報部の女諜報員コーデリア・ウィンフィールドを相棒に世界を股にかけて活躍する60分のスパイアクションドラマとなった。イギリスでは1967年に放映され、日本では1966年にフジテレビから「ザ・バロン」の題名でスタートし、一時休止後「バロン登場」と改題して残りのフィルムが放映された。[俺がバロンだ]と[王冠を狙う男]の前後編エピソードは再編集され「王冠を狙う男」として劇場公開(日本ではTV放映)された。ダンディなバロンを演じたのは「特別狙撃隊SWAT」のスティーブ・フォレストである。

サブタイトル:
「ザ・バロン」
01 ファバジェの宝石
02 勇者に捧ぐる詩
03 黄金の脱出
04 悪魔の遺産
05 10万ポンドの脅迫
06 祖国の敵
07 俺がバロンだ
08 王冠を狙う男
09 死を売る女
10 出獄者を追え
「バロン登場」
11 黒真珠の影
12 脅迫者は誰だ
13 狂気の執念
14 ローマの女
15 証人を消せ
16 コーデリア行方不明
17 わな
18 賭け
19 死神に憑かれた女
20 呪いの館
21 謎の微笑
22 呪いの宝石
23 緑の迷路
24 大統領夫人の悩み
25 嵐の前夜(前編)
26 謎の島(後編)
27 美女と麻薬
28 悪霊は招く
29 600万ポンドの偽札
30 コレリーの剣

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CAST:
バロン=ジョン・マナリング(スティーブ・フォレスト):小林修
コーデリア・ウィンフィールド(スー・ロイド):森ひろ子
グリーン=ジョン・アレクサンダー・テンプルトン(コリン・ゴードン)
デビッド・マーロウ=バロンの秘書(ポール・フェリス):城達也

DVD&ビデオ情報:

The Baron - The Complete Series(イギリス盤DVD)
posted by Rambaldi at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 番組ガイド:スパイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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