2005年09月20日

番組ガイド:「グルメ探偵ネロ・ウルフ」

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レックス・スタウトが創造した"ネロ・ウルフ"は1934年のミステリ小説[毒蛇]でデビューしている。1930年代のニューヨーク、探偵ネロ・ウルフはマンハッタン西35丁目の褐色砂岩の家に住み蘭愛好家・美食家として知られている。家の屋上には温室があって温室係のシオドア・ホーストマンと共に決まった時間に蘭の世話をしている。美食家ぶりは料理人フリッツ・ブレナーが同居しレストラン以上の美食を堪能していることでもわかる。ウルフは体重140kg・身長180cmの巨漢で外出嫌いの出不精なため、安楽椅子探偵と化したウルフの代わりに助手のアーチー・グッドウィンが事件の情報収集を担当する。アーチーは饒舌なハンサムガイで女性には結構もてるが、会計や接客など雑用も担当しておりちょっとうんざり気味である。ウルフはアーチーが調べてきた情報や関係者への質問から的確に推理し難解な殺人事件を解決する。

"ネロ・ウルフ"の映像化は[毒蛇]を映画化した1936年の『完全犯罪』が最初でウルフ役にはエドワードアーノルド、アーチー役にはライオネル・スタンダーが扮している。続く『The League of Frightend Men』は[腰抜け連盟]の映画化であるが、日本未公開でウルフ役がウォルター・コノリーに替わり、アーチー役はライオネル・スタンダーが再度扮している。映画はこの2本しかなく以降はTVムービーとTVシリーズになる。1971年にウルフ役にセイヤー・デビッド,アーチー役にトム・メイソンでTVムービー「Nero Wolf」が放映されたがさほど評判にならなかった。1981年に放映されたTVシリーズ「Nero Wolf」はウルフ役に「探偵キャノン」のウィリアム・コンラッド、アーチー役にリー・ホースレーが扮した60分シリーズでウィリアム・コンラッドの演技が話題となったが14エピソードで終了している。

nerowolf1981.jpg 「Nero Wolf」(1981)

2000年にA&Eネットワークで放映されたパイロットTVムービー「The Golden Spiders: A Nero Wolfe Mystery」の好評をうけて2001年に60分ミステリドラマ「A Nero Wolfe Mystery」がスタートし第1シーズンの12エピソードが放映された。日本では2003年にWOWOWからパイロットTVムービーが「ゴールデン・スパイダー/グルメ探偵ネロ・ウルフの事件簿」として、TVシリーズは「グルメ探偵ネロ・ウルフ」のタイトルで6本が90分枠で字幕版で放映された。6本というのはオリジナルの60分前後編エピソードは90分枠に編集し、60分エピソードは2本立で90分に編集して放映したためである。本国では第2シーズンで終了しており日本未放映の16エピソードが存在する。

サブタイトル:(A&E放映順)
パイロットTVムービー
00.The Golden Spiders: A Nero Wolfe Mystery
第1シーズン
01.The Doorbell Rang, Part 1.
02.The Doorbell Rang, Part 2.
03.Champagne for One. Part 1.
04.Champagne for One. Part 2.
05.Eeny Meeny Murder Moe.
06.Prisoner's Base, Pt. 1.
07.Prisoner's Base, Pt. 2.
08.Disguise for Murder.
09.Door to Death.
10.Christmas Party.
11.Over My Dead Body, Part 1.
12.Over My Dead Body, Pt. 2.
第2シーズン
13.Death of a Doxy, Part 1.
14.Death of a Doxy, Part 2.
15.The Next Witness.
16.Die Like a Dog.
17.Poison a la Carte.
18.The Mother Hunt, Part 1.
19.The Mother Hunt, Part 2.
20.Murder is Corny.
21.Too Many Clients, Part 1.
22.Too Many Clients, Part 2.
23.Before I Die.
24.Help Wanted, Male.
25.The Silent Speaker, Part 1.
26.The Silent Speaker, Part 2.
27.Cop Killer.
28.Immune to Murder

サブタイトル:(WOWOW放映順)
00.「ゴールデン・スパイダー/グルメ探偵ネロ・ウルフの事件簿」 The Golden Spiders: A Nero Wolfe Mystery
01.ネロ・ウルフ対FBI The Doorbell Rang
02.容疑者が多すぎる Prisoner's Base
03.シングルマザーはなぜ殺された? Champagne For One
04.死の扉 Wolfe Goes Out(Door To Death/The Christmas Party)
05.殺人鬼はどの子 Wolfe Stays In(Eeny Meeny Murder Moe/Disguise For Murder)
06.我が屍を乗り越えよ Over My Dead Body

「グルメ探偵ネロ・ウルフ」は1940〜50年代のレトロな雰囲気で撮影されており、登場するクラシックカーや衣装は1950年代の物が使われている。ウルフよりアーチーが主役で物語が展開するのは、アーチー役で出演し制作総指揮も担当しているティモシー・ハットンが、原作そのままよりもアーチーをメインで動かした方が今の視聴者にはうけると判断したからである。ティモシー・ハットンは『普通の人々』でアカデミー助演男優賞を授賞した俳優であるが、「エラリー・クイーン・ミステリー」でエラリーを演じたジム・ハットンの息子であり、マスコミは親子でアメリカの探偵キャラを演じたケースと報じていた。ウルフ役は『マスク・オブ・ゾロ』『エントラップメント』のモーリー・チェイキンが演じており、原作よりはスリムな巨漢探偵を好演している。クレイマー警部役は「ザ・プラクティス」のビル・スミトロヴィッチが演じている。また、レギュラーキャラはともかくゲストキャラは毎回違うのに演じる俳優はほぼ同じという舞台劇みたいなキャスティングもユニークであった。

CAST:
アーチー・グッドウィン(ティモシー・ハットン)
ネロ・ウルフ(モーリー・チェイキン)
フリッツ・ブレナー(コリン・フォックス)
ソール・ペンザー(コンラッド・ダン)
クレイマー警部(ビル・スミトロヴィッチ)
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