2005年10月08日

プレミアテレビ:「ブラウン神父」Father Brown

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エラリー・クイーンがホームズ・デュパンと並べて3大探偵にあげたブラウン神父は、1910年にG・K・チェスタートンが短編[青い十字架]で登場させたアマチュア探偵である。人一倍背が低くて団子のような丸顔で、パッチリとした灰色の目、小柄な体に僧服をまとい、流行遅れの大きな黒い帽子とオンボロの黒いコウモリ傘を始終無くしたり忘れたりする、外見上も不器用でのろまな貧相なカソリックの坊さんである。しかし、事件が起きれば持ち前の観察眼と直感で真相を看破し謎を解いてしまう。元泥棒だったが改心して探偵となった大男フランボウを助手に怪事件を解決していく。ブラウン神父は物的証拠から論理で犯人を割り出すのではなく、犯人だったらこの場合どうするのかを考えて推理を進めていく。51ある短編の中でも一、二を争う傑作とされる[折れた剣]には有名なやりとりで暗示されるトリックがある。"賢い人間なら小石をどこに隠す?""浜辺です""賢い人間なら木の葉はどこに隠す""森のなかです""さよう、賢い人は小石を浜辺に隠す。だが、浜辺のないときにはどうするか?" これは様々に形を変えて幾多のミステリに使われているトリックのルーツである。ブラウン神父物は驚異的ともいえる数のトリックが登場し、その結末では読者をあっと言わせてくれます。映画化は1934年のウォルター・コノリー主演作『Father Brown,Detective』1954年のアレック・ギネス主演作『Father Brown』など3本しかなくいずれも日本未公開である。TV化は1974年にケネス・モアが主演した60分TVシリーズ「ブラウン神父」Father Brown と1979年にバーナード・ヒューズが主演したTVムービー「ブラウン神父・恐怖のステージ」Sanctuary of Fear Girl in The Park くらいではないだろうか。ケネス・モアは『三十九階段』『ビスマルク号を撃沈せよ』『SOSタイタニック』などで知られるイギリスの名優である。この番組は『吸血鬼ドラキュラ』のハマーフィルムが制作しており、1974年にイギリスITVから放映され、アメリカでは1980年にPBSから放映されている。放映された13エピソードはすべてブラウン神父物の短編をドラマ化したものである。

サブタイトル:(オリジナル放映順)
01.The Hammer of God [神の鉄槌]
02.The Oracle of the Dog [犬のお告げ]
03.The Curse of the Golden Cross [金十字架の呪い]
04.The Eye of Apollo [アポロの目]
05.The Three Tools of Death [三つの兇器]
06.The Mirror of the Magistrate [大法律家の鏡]
07.The Dagger with Wings [翼ある剣]
08.The Actor and the Alibi [俳優とアリバイ]
09.The Quick One [手早いやつ]
10.The Man with Two Beards [顎髭の二つある男]
11.The Head of Caesar [シーザーの頭]
12.The Arrow of Heaven [天の矢]
13.The Secret Garden [秘密の庭]
※[ ]は一般的な翻訳題名

CAST:
Father Brown (Kenneth More)
Hercule Flambeau (Dennis Burgess)

DVD&ビデオ情報:
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Father Brown - The Hammer Of God And Other Stories
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Father Brown - The Man With Two Beards And Other Stories
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Father Brown - The Mirror Of The Magistrate And Other Stories
(イギリス盤DVD)
この記事へのコメント
プレミアテレビを拝見していると日本未放映でも面白そうなミステリドラマが数多くあるのですね。ミステリチャンネルには国産の2時間サスペンスや韓国ドラマより「ブラウン神父」「ピーター・ウィムジー卿」などクラシックな探偵ドラマを放映してほしいものです。
Posted by 新青年 at 2005年10月10日 08:26
全く同意です。ブラウン神父物は是非とも見たいです。少しイメージが小説と違うようですが、トリックはものすごく面白いので。
Posted by てり at 2013年01月06日 17:22
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