2004年06月13日

番組ガイド:「署長マクミラン」 

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「署長マクミラン」 McMillan and Wife は1971年からNBCの「ウェンズデー・ミステリ・ムービー」→「サンデー・ミステリ・ムービー」枠で放映され、日本では1976年にNHKから放映された90分のコメディタッチのポリスドラマである。実は「署長マクミラン」の制作にはジム・ハットン主演の「エラリー・クイーン・ミステリー」が関係しているのである。「エラリー・クイーン・ミステリー」が制作される前にエラリー・クイーンものTVムービーが1本制作されている。『九尾の猫』を原作とした「青とピンクの紐」で「影なき男」のピーター・ローフォードが主演している。リチャード・レビンソンとウィリアム・リンクが脚本を書いたにも関わらず、NBCとユニバーサルTVによる内容変更が加えられた。ピーター・ローフォードに合わせてエラリーはプレイボーイの探偵になり、推理よりアクションが目立つ作品で2人が目指した本格ミステリドラマとはほど遠い作品になってしまう。実はNBCとユニバーサルTVでは"倒叙物"の「刑事コロンボ」と"アクション物"の「警部マクロード」に"本格物"のエラリー・クイーンを並べて「サンデー・ミステリ・ムービー」枠を検討していたのである。しかし「青とピンクの紐」の不評によりエラリー・クイーンは別枠企画となり、新たに企画されたのが"本格物"「署長マクミラン」である。映画界からTVへの進出を狙っていたロック・ハドソンと「サンデー・ミステリ・ムービー」の看板スターを探していた両者の思惑が一致し、番組の制作が開始されたのである。

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映画『影なき男』に代表される夫婦探偵ものは、ロバート・ワグナーとステファニー・パワーズの「探偵ハート&ハート」がおなじみであるが、「署長マクミラン」は弁護士からサンフランシスコ市警察の署長になったスチュワート・マクミラン(ロック・ハドソン)が、高名な犯罪学者の娘で探偵好きなサリー(スーザン・セイント・ジェームス)と共に事件を解決していくコメディタッチのミステリである。署長の直属部下である勤勉なエンライト巡査部長(ジョン・シャック)や皮肉屋のハウスキーパーのミルドレット(ナンシー・ウォーカー)など脇のキャラ設定も面白い。マクミランは第1シーズンではヒゲをはやしていたが、当時ニューヨークの警察幹部がヒゲをはやして人気があったのであやかったらしいが、視聴者には不評で第2シーズンからは剃っている。「署長マクミラン」は"本格者"と書いたが、エドワード・D・ホックという短編多作のミステリ作家がおり、彼の代表作"レオポルド警部"物に[殺人犯レオポルド警部]というのがある。表彰されたレオポルド警部が別れた妻と口論していると妻が射殺される。現場は密室で警部の手には凶器の拳銃が...というお話。これが「署長マクミラン/密室の銃声」ではエンライト巡査部長が容疑者にされる。まさに本格ミステリでこの全話こんな調子でいけばよかったのだが、たらたらドタバタしてるエピソードもあったりする。熟考型コロンボや直感型マクロードに対してマクミランは所動型というか推理力があるサリーに助けられてマクミランは事件を解決する。ロック・ハドソンに合わせた都会調ロマンチックコメディと本格ミステリが上手く噛み合ったエピソードは面白いので、エピソードによってあたりはずれが大きい番組である。もっとも全40話のうち、日本ではわずかしか放映されていないので断言できない部分もあるのだが...。「署長マクミラン」は決して失敗作ではないし、シリーズの全貌を見てみたい番組である。若林豪氏の吹き替えはロック・ハドソン自身が重厚な芝居をしているわけでもないのでカタさはあるがそんなに悪くはないし、結城美栄子氏はちょっとハシャギすぎだが可愛い感じは出ていたと思う。俳優さんの吹き替えはどうしても"顔"がちらつくのだが「署長マクミラン」については気にはならないだろう。某国営放送局がこの番組を継続放映しなかったのは、妊娠したサリーが大きなお腹を抱えて犯行現場へ出かけたりするのは変だという意見からだったらしい。尚、第5シーズンでサリーは死亡し、第6シーズンでは家政婦のアガサの知恵をかりて事件を解決する設定になり、番組は第6シーズンをもって終了した。ロック・ハドソンはハリウッドを代表する2枚目スターで『ジャイアンツ』『武器よさらば』などに出演、番組終了後はミニシリーズ「自動車」やスパイ物「The Devlin Connection」に主演し、1985年にAIDSでこの世を去った。スーザン・セイント・ジェームスには「ネーム・オブ・ザ・ゲーム」に続く作品で番組終了後は『アウトロー・ブルース』など映画やTVムービーに出演している。

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CAST:
スチュワート・マクミラン(ロック・ハドソン):若林豪
サリー・マクミラン(スーザン・セイント・ジェームス):結城美栄子
エンライト巡査部長(ジョン・シャック):東野英心
ミルドレット(ナンシー・ウォーカー)

2004年06月10日

番組ガイド:「刑事ブロンク」  

 
「刑事ブロンク」Bronk は1975年にCBSで放映され、日本ではTBSから放映されている。カリフォルニア州の架空の都市ジャックシティ警察殺人課のアレキサンダー・ブロンコフ警部補(ジャック・パランス)の愛妻は犯人が仕掛けた爆弾で死亡し、まきぞえをくったひとり娘は車椅子生活を余儀なくされていた。仕事を離れ、娘エレン(ディナ・オーズレイ)の世話にかかりきりになるブロンコフ=ブロンクであったが、犯罪に待ったはない。友人でもあるビート・サントーリ市長(ジョセフ・マスコロ)の計らいで娘の世話の合間に捜査をする特別な権限を与えられる。彼の助手となって動いてくれるジョン・ウェーバー巡査部長(トニー・キング)や元警官のハリー・マーク(ヘンリー・ベックマン)らに支えられ、緻密な頭脳と機敏な行動力で凶悪犯罪に立ち向かっていく。ブロンクは1950年代のキャデラックのレプリカを駆って捜査にあたる。年代物で故障もするが、お気に入りである。さらにパイプ煙草とハーモニカが大好きである。ブロンクの苦手なものは"猫"である。猫アレルギーにも関わらず、エレンが飼っている猫の世話をする優しい父親である。ポリスドラマブームの最中に登場した「刑事ブロンク」は「マニックス」や「スパイ大作戦」のプロデューサー、ブルース・ゲラーによるキャラクター設定が凝っており、ジャック・パランスの主演ドラマということで注目を集めたが1シーズンで終了している。
CAST:
アレキサンダー・ブロンコフ警部補(ジャック・パランス):西村晃
エレン・ブロンコフ(ディナ・オーズレイ):横沢啓子
ジョン・ウェーバー巡査部長(トニー・キング):田中信夫
ハリー・マーク(ヘンリー・ベックマン):塩見竜介
ビート・サントーリ市長(ジョセフ・マスコロ):大木民夫

2004年06月03日

番組ガイド:「特捜追跡班チェイス」 Chese

  
「特捜追跡班チェイス」Chase は「特捜隊アダム12」のジャック・ウェッブのマークセブンプロとユニバーサルTVが制作したポリスアクションドラマ。1973年〜1974年にNBCで放映され、日本では1975年に日本テレビで放映されている。ロサンジェルス警察のチェイス・レディック警部(ミッチェル・ライアン)は正攻法ではなく、専門技術を持った警察官による捜査で犯罪者を検挙する秘密の特捜班を編成した。K−9で麻薬に詳しいサム・マックレイ巡査部長(ウェイン・マウンダー)と麻薬犬ファズ,ベトナムでヘリの操縦士だったノーム・ハミルトン巡査(リード・スミス),元ストックカーレーサーのスティーブ・ベイカー巡査(マイケル・G・リチャードソン),バイクを操るフレッド巡査(ブライアン・フォング)たちである。潜入捜査や囮捜査からヘリと車とバイクによる機動的な追跡場面が多くスピーディな展開で面白かった。彼らをリードするウェイン・マウンダーの演技や若手3人の個性が番組人気となっており、彼らのからみが楽しかった。しかし、シーズン中途で3人の巡査が、エド・ライス巡査(ゲーリー・クロスビー)とトム・ウィルソン巡査(グレイグ・ガードナー)の2人の魅力のない役者と入れ替えになり一気にテンションが落ちた番組は終了してしまう。ミッチェル・ライアンは映画『ダーティハリー2』『リーサルウェポン』や最近では「ダーマ&グレッグ」でもおなじみです。ウェイン・マウンダーは「対決!ランサー牧場」「壮烈!第七騎兵隊」に次ぐTVシリーズとなりました。
CAST:
チェイス・レディック警部(ミッチェル・ライアン):小林修
サム・マックレイ巡査部長(ウェイン・マウンダー):納谷六朗
ノーム・ハミルトン巡査(リード・スミス):森功至
スティーブ・ベイカー巡査(マイケル・G・リチャードソン)
フレッド・シン巡査(ブライアン・フォング):神谷明
フランク・ドーソン警視(アルバート・リード):大宮悌ニ
警察犬ファズ(シェパード犬)

エド・ライス巡査(ゲーリー・クロスビー)
トム・ウィルソン巡査(グレイグ・ガードナー

2004年05月13日

番組ガイド:「華麗な刑事デンプシー&メイクピース」「女刑事メイクピース+1」

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「華麗な刑事デンプシー&メイクピース」「女刑事メイクピース+1」Dempsey and Makepeace はロンドンウィークエンドテレビジョンが制作し、1984年〜86年に放送された刑事アクションドラマです。日本では1989年にローカル局から先行放送されました。ニューヨーク市警のジェームズ・デンプシー警部補(マイケル・ブランドン)は、市警内部の汚職を発見し上層部に報告するが身辺にはすでに危険が迫っていた。自身の保護のためイギリスとアメリカの交換警察官制度に応募、ロンドン警視庁に派遣されることになった。特捜班SI-10のスパイキングス部長に紹介されたパブのウェートレスこそ、潜入捜査中のハリエット・メイクピース巡査部長(グリニス・バーバー)、つまり彼のパートナーであった。メイクピースは貴族の家系で育ったお嬢様で美人だが勝気な性格、デンプシーは下町出身で生意気で猛烈な気分屋。イギリス流のルールを守ろうとするメイクピース、銃でカタをつけようとしがちなヤンキー気質のデンプシー、互いの捜査方法に賛同しない犬と猫のような刑事コンビが誕生します。幾多の事件を経て犬と猫は互いの実力を認めあうようになっていきます。特に犬は猫の尻尾が気になるようでした。デンプシー役のマイケル・ブランドンは『LOVEシーズン』や保険調査員レプスキーのシリーズ(仏映画)に出演しており、最近は「犯罪捜査官ネイビーファイル」「アリーmyラブ」「ザ・プラクティス」などゲスト出演が多くなっています。メイクピース役のグリニス・バーバーはSFドラマ「ブレイク7」などに出演しています。

CAST:
ジェームズ・デンプシー警部補(マイケル・ブランドン):安原義人
ハリエット・メイクピース巡査部長(グリニス・バーバー):戸田恵子
ゴードン・スパイキングス部長(レイ・スミス)
チャス=チャールズ・ジャービス巡査部長(トニー・オソバ)

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